fatimariaの日記

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画材の話

膠(にかわ)
書道の筆屋さんが墨をかためるのに使う膠の話をしていたので、
筆屋さんに兔膠の話したら、「兔膠…(そんなのもあるのか…といった感じ)。」って言ってた。
絵画の下地や絵の具の粉末を接着するのに、兔膠を使ったりする。
私の場合、「やってみたら?」と美術の教官に教えられたみたいに、シナベニヤに兔膠を塗るだけの下地を作ったりする(当然下地は白くない)。
油絵は本来、薄い層を何度も重ねて行く技法で、ブラシみたいなかたい筆でマチエル(筆跡)をデコボコ出すような書き方は古典技法では行わない。柔らかい筆でしっとりと描いていく。対話性幻聴「なるほどー」
薄い層を重ねた作品は、画面全体が暗い深緑の作品が多かったりするが、多分黄変もしていると思う。書かれた当時はもっと別の色味だったと思うのだ。
 
接着剤
油絵だと絵の具の接着に使う油が黄変する。
油は当然溶き油としても使う。水彩画のバケツの水みたいな使い方。水彩画のバケツで筆を洗うのは、ブラシクリーナーという筆やパレットなどを洗う専用の油がある。
私は水彩画のような溶き油に揮発性のペトロールを使っていたと思う。他のひとはターペンタイン(テレピン)。
ただしペトロールだけでは丈夫ではないので、リンシードオイルに混ぜるのだ。
ポピーシードオイルはリンシードオイルより早く乾くけど、丈夫ではない。
リンシードオイルは少し黄色っぽいので、絵の具がついて乾いても、絵の具は少し黄色い。今はどんな色か知らないけど昔は黄色かった。黄色いので黄変するとやっぱり黄色い。
でもリンシードオイルは使いやすい。
松脂(まつやに)のオイルは粘っこいけど最悪だった。臭すぎる。描いていると吐き気がしてくるのだ。予備校で買ったそれがかばんの中でぶっちゃけてて、もう…なんと言ったらいいか…。予備校の2週間ずっと最悪の気分だった。蚊に蚊取り線香のような気分?
専門学校の授業でテンペラ技法(卵などを絵の具の接着剤として使う技法)をやっていた先輩が、
「なんか卵腐ってきちゃって(x生徒人数分)、部屋中くっせぇんだよね。」って言ってた事がある。
 
やはりリアルの画材は臭いものもたくさんあるのだ。
 
紙とかでも黄変したりする。昔っぽい地図で、端が茶色いのがあると思う。虫食いと黄変だ。
西洋時代劇で使われるような黄変したアンティークな地図や本の色などは間違っている。作られた当時の色は劣化していない色なのだ。
油絵の具とかの黄変は劣化という化学変化なので、いい状態を保つにはそれなりの保存状態がいい環境が必要になる。
 
私は粉末の絵の具を使った事が無いので、油絵の白のひとつはシルバーホワイトを使っていた(絵の具箱見たらやっぱり入っている。)。とても乾燥しやすいからだ。でも鉛なので汚染物質と化学反応しやすく、黒変しやすい。
チタニウムホワイトを使っていたような事が書いてある。白として強いからだ。でも乾燥速度が遅いらしく使ってないみたいだ。
 
 
絵の具は化学変化が起こるので、絵の具の箱や資料を読んで気をつけないと、絵を台無しにしてしまう事もありえる。
12色チューブくらいならそんなに気にせず描けるけどね。